ストランジャ風カヴァルマ

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カヴァルマとは、肉とトマト、玉ネギなどの野菜とワインを一緒に煮込んだ料理のことを言います。ブルガリアのレストランでカヴァルマという料理を注文すると、小さな土鍋、ギュヴェチェに入って料理が出てきます。

カヴァルマと言えば、必ずギュヴェチェに入れてオーブンで煮込んだ料理だと思い込んでいたのですが、今回紹介する「ストランジャ風カヴァルマ」は、ブルガリア南東部にあるストランジャ(山脈)地方で食べられているカヴァルマで、フライパンだけで手軽に作ることができます。

(以前紹介したギュヴェチェに入ったカヴァルマ

見た目は焼いた豚肉の上に野菜ソースがのっているだけの料理ですが、食べてみると、ソースが豚肉の味とうまくマッチしてすごくおいしいです。大したものは入っていないに、何がこんなに豚肉を引き立てるのか、マッシュルーム?それともトマト??食べている間ずっと考えていたのですが、結局分からずじまいでした。

とっても簡単にできるのでぜひ作ってみてくださいね。

「ストランジャ風カヴァルマ」(4〜5人分)
(каварма по странджански)

材料:

  • 豚厚切り肉 4〜5枚(700g)
  • 玉ネギ 小1個(150g)
  • マッシュルーム 200g
  • トマト 小1個(150g)
  • 赤唐辛子 3〜4本(辛いのが苦手ならこれより少なめにしてください。)
  • 赤ワイン 50ml
  • ラードあるいは油 大匙1〜2
  • パセリ 3〜4枝ぐらい
  • 塩 小匙1/3〜1/2ぐらい
  • 黒胡椒 少々

作り方:

  1. 豚肉は肉たたきなどでたたいて塩(分量外)、胡椒をしておきます。
  2. 玉ねぎ、マッシュルームはみじん切りに、トマト、パセリは細かく刻んでおきます。
  3. 赤唐辛子は種を取り除き、細かく刻んでおきます。
  4. フライパンを中火で熱し、豚肉を表裏焦げ目がつくまで焼き、その後蓋をして弱火で5〜6分ほど中に火が通るまで焼いてお皿に取り出しておきます。
    (油を引かないとくっつきそうな時は油を引いてください。)
  5. 同じフライパンにラードあるいは油を入れて中火にかけ、玉ネギ、マッシュルーム、トマト、唐辛子、パセリを順に入れて炒めます。
  6. 更に赤ワイン、塩、胡椒を加え、水気がほとんどなくなるまで弱火で煮込みます。
  7. 焼いた豚肉を細切りにし、その上に6.をのせたら出来上がりです。
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保存食「トラハナ」って何?

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ブルガリアの人にもあまり知られていない食べ物「トラハナ(трахана)」。私はブルガリア料理のレシピ本で見ていて名前は知っていましたが、うちの旦那さんにどんな食べ物か聞いてもよく知らないと言われていました。でもブルガリア南部、プロヴディヴ出身の旦那さんの友人の一番好きな食べ物がその「トラハナ」と聞いて食べてみたくなった私たち夫婦は、自分たちで作ってみることにしました。

以前に紹介したことがあるブルガリアのパスタ「ユフカ」にちょっと似ていて、小麦粉ベースの生地を乾燥させて使用する保存食ですが、「トラハナ」は野菜のペーストを混ぜ込んだり発酵させてから乾燥させるところが「ユフカ」と違います。食べ方は水と一緒に煮てバターやシレネ(ブルガリアの白いチーズ)と混ぜて食べたり、スープに入れたり、お肉と一緒に料理したりするようです。

何せうちの旦那さんも見たことも食べたこともない食べ物ですから、今回出来上がったものが本物の「トラハナ」かどうかちょっと疑問が残ります。作った後に今回作った「トラハナ」の話をプロヴディヴ出身の友達に話したら、「そんな感じの食べ物だよ。」と言われたそうですが。

csc_0037 (乾燥トラハナ)

私たちが使用したレシピは、1930年代のブルガリア料理のレシピ本に載っていたものです。「乾燥トラハナ」の作り方を簡単に説明すると、

  1. トマト、ジャガイモ、人参、タマネギ、赤ピーマンを少量の水で柔らかくなるまで煮て、それを茹で汁ごと潰してピューレ状にします。
  2. 1.のピューレと同量の小麦粉と、塩少々、イースト少々を加えてよく捏ねて少し固めの生地を作り、丸めて2〜3倍の大きさになるまでゆっくり発酵させます。
  3. 2.の生地を薄く伸ばして、2日ほど乾燥させます。
  4. 3.でできたものをおろし金などで細かくして出来上がりです。

他のレシピでは、生地を発酵させた後におろし金でおろしてそれから乾燥させたり、混ぜ込む野菜はズッキーニだったり、地方や人によって作り方は少し異なるようです。

出来上がった「トラハナ」を、今回はシンプルに水で煮込んでバターと塩で味付けして食べてみました。野菜の味はほのかにするかなという程度ですが、その代わりにバターの味と香りがしっかりします。味としてはおいしいけれど、柔らかくなったパンを食べているようでちょっと変なかんじです。でもうちの旦那さんは、さすがはブルガリア人、食べたことがなかったこの食べ物を結構気に入ったようです。私は次回はお肉と一緒に食べてみたいです。

「トラナハ」についてちょっと調べてみると、思った通り、トルコやギリシャでも食べられているようです。やっぱりトルコからブルガリアに伝わったのでしょうか。

もしいつかブルガリアで「トラハナ」に出会ったら、どんなものなのか、ちゃんと報告したいと思います。

ブドウの葉と挽き肉のサルミ

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今年の春、実家の庭にブドウの苗を植えてもらったので、葉が収穫できたらご飯をブドウの葉で巻いて作ったサルミ(ブドウの葉のサルミ)を思いっきり食べたいと思っていました。

そして2週間程前に、母が15枚のブドウの葉を送ってきてくれました。本当はもっと欲しかったけれど、それ以上葉を取ってしまえば枯れてしまうかもということで、今年は15枚しか収穫できませんでした。

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この時期なので葉は少し固くなっていたけれど、とてもきれいな緑色をしていました。最初は大好きなご飯を包んだサルミを作ろうと思っていましたが、何か新しいブドウの葉を使ったレシピに挑戦したいと思い、今回はお米入り挽き肉のサルミを作ってみました。

肉の入っていないご飯だけのサルミに比べると、肉を使ったサルミは少しこってりした感じがしましたが、ヨーグルトと一緒に食べるととても食べやすくておいしい!今回作ったものは肉が多めのものですが、肉の量を減らしてお米の量を増やして作ったサルミもまたとてもおいしいです。

ブドウの葉が15枚しかなかったので、残ってしまった具はキャベツに包んだり、それも面倒になってピーマンに詰めたりもしました。こちらもおいしかったです。

ブドウの葉が手に入ったらぜひ作ってみてくださいね。

「ブドウの葉と挽き肉のサルミ」のレシピ(ブドウの葉20枚分ぐらい)
(лозови сарми с мляно месо)

材料:

  • ブドウの葉(できれば若い葉)20枚ぐらい
  • 牛挽き肉か牛豚合挽き肉 350g
  • バター 大匙2
  • 青ネギ 3〜4本
  • 米 50g (カップ1/4ぐらい)
  • パセリ 1枝
  • ミント 1枝
  • パプリカパウダー 小匙2
  • 塩 小匙1/2ぐらい
  • 黒胡椒 少々
  • プレーンヨーグルト 適量

作り方:

  1. ブドウの葉は洗っておきます。
  2. 米は洗ってざるで水を切っておきます。
  3. 青ネギはみじん切りに、パセリ、ミントは茎を取り除いて細かく刻んでおきます。
  4. 鍋にたっぷりの水を入れて塩少々を加えて火にかけ、沸騰したらブドウの葉を入れて2分ほど茹で、水気を切っておきます。(何回かに分けて茹でてもいいです。)
  5. フライパンにバター大匙1を入れて中火にかけ、青ネギと少量の水を加えて炒めます。そこにパプリカパウダーも加えて炒めます。
  6. 更に肉、米、胡椒、パセリ、ミント、塩、ひたひたになるぐらいの水を加え、時々混ぜながら弱火で煮て、水分がなくなったら火を止めます。
  7. 鍋を用意し、底に茹でたブドウの葉(破れたり小さいもので分量外)を敷き詰めます。(なければ敷かなくていいです。)
  8. その上にブドウの葉でご飯を包んだものを並べていきます。
    包み方は、ブドウの葉の真中に大匙1ほどのご飯を載せ、まず葉の上、下を少し重なるように折り、その後90度右に回して下からご飯を包むようにくるくる巻きます。
    巻き終わったら、巻き終わりが下になるように、鍋の底に隙間なく並べます。これを繰り返します。
  9. 8.の鍋に、ひたひたより少し多めの水とバター少々(分量外)を加え、平らなお皿で落し蓋をします。そして鍋の蓋もして中火にかけ、沸騰したら弱火で15分ほど煮ます。その後鍋の蓋を外して数分加熱し、水分がなくなれば出来上がりです。
    盛り付けは、サルミの上にヨーグルトをかけ、その上に、溶かしバターとパプリカパウダーを合わせたもの(小さな鍋かフライパンを弱火にかけてバター大匙1を溶かし、そこにパプリカパウダー少々を加えて混ぜ合わせる)をかけます。
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さやいんげんのムサカ

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ここ数日少し涼しくなりましたね。野菜は食べたいけれどサラダはあまり食べたくないというときにぴったりの料理が、この「さやいんげんのムサカ」です。

おいしさのポイントは、十分に柔らかく煮込んださやいんげん、そして一度フライパンでこんがり焼いた後に更にオーブンで焼いてさくさくになったジャガイモ。それからスライスしただけのトマトはオーブンで焼くとトマトソースに変身します!

味付けは塩胡椒のみ、それぞれの野菜をしっかり味わうことができる上、牛乳と卵のさらっとしたソースが味を引き立てます。

ぜひお試しくださいね。

「さやいんげんのムサカ」(2〜3人分)
(мусака със зелен фасул)

材料:

  • さやいんげん 250g
  • ジャガイモ 500g (小8個)
  • トマト 250g (大1個)
  • バター 大匙1
  • 牛乳 200ml
  • 卵 2個
  • 黒胡椒
  • 薄力粉 適量
  • 油 適量

作り方:

  1. さやいんげんは2〜3センチの長さに切っておきます。
  2. ジャガイモは3ミリほどの厚さにスライスし、軽く塩をしておきます。
    ジャガイモから水分が出たらペーパータオルで拭き取っておきます。
  3. トマトは半分に切り、3ミリほどの厚さにスライスしておきます。
  4. フライパンに少し多めの油を入れて中火にかけ、薄力粉をまぶしたジャガイモの両面をこんがりと焼いてお皿に取り出しておきます。
  5. 別のフライパンにバター大匙1を入れて中火にかけ、さやいんげんを加えて軽く炒めたら、ひたひたになるぐらいの水を加えて柔らかくなるまで中火〜弱火で煮ます。
    さやいんげんが十分に柔らかくなって水分がなくなったら、塩胡椒で味付けをします。
  6. 耐熱容器に半量のジャガイモを敷き詰め、その上に半量のトマトを敷いて、更にさやいんげんをのせます。
    その上に残りのトマト、ジャガイモをのせます。
    ジャガイモ、トマトを重ねる度に上から軽く塩胡椒をしてください。
  7. 6.の上に、牛乳と卵をよく混ぜ合わせたものを全体にかけ回し、180度に予熱したオーブンで30分ほど焼いたら出来上がりです。
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ケーキのシロップ漬け「レヴァネ」

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初めてブルガリアへ行ったときのこと。パン屋さんへ行くと何種類かのケーキが売られていました。しばらく甘いものを食べていなかった私はすごくケーキが食べたくなって、その中でスポンジのような、カステラのようなケーキが一番おいしそうに見えたので、ブルガリアで初めて食べるケーキはこれにしよう!と、食べるのを楽しみに買って帰りました。

家へ帰ってから買ってきたケーキをよく見ると、シロップでスポンジはびしょびしょ。買ったときにはシロップ漬けのケーキとは気づきませんでした。あっさりしたケーキを想像していたので、がっかりしながら食べてみると、甘いし思っていたようなケーキじゃないし、半分以上を残してしまいました。

その後ずっと避けていたシロップ漬けのケーキですが、昔のブルガリア料理のレシピ本にこのケーキのレシピがのっていて、もしかしたら今食べたらおいしいかも…と期待して作ってみました。

泡立てた卵にセモリナ粉(грис)を加え、シロップで甘みを加えるだけのレシピですが、材料のセモリナの分量のところで、普通ならカップいくらとか、何グラムとか、大匙いくつとかと書いてありそうなのですが、卵の殻半分を何カップという計量になっていました。

私はそのセモリナの計量方法を素直に信じることができなかったのですが、とりあえず割った後の卵の殻に水を入れてそれをスプーンに移して、だいたい大匙1ぐらいかなと、卵の殻半分=大匙1と解釈して作ってみました。

できあがった「レヴァネ」は、店で売られているものほどシロップでびしゃびしゃになったものでなく、卵の味がしっかりしたふんわりスポンジに、程よくシロップがしみ込んだ、しっとりカステラ風ケーキになりました。

現在ブルガリアの家庭で作られる「レヴァネ」は、セモリナ粉だけでなく普通の小麦粉も加えたり、あるいは普通の小麦粉だけで作られているものが多いようです。またスポンジ生地を膨らませるのに、ベーキングソーダを使うものが多いようです。

トルコやギリシャにも同じようなケーキがあるようです。シロップ漬けお菓子なのでアラブから伝わったお菓子なのかもしれません。

とてもシンプルでおいしいケーキです。ぜひお試しください!

「レヴァネ」のレシピ(直径18センチ丸形1台分)
(реване)

材料:

  • 卵 5個
  • セモリナ粉 大匙5
  • 砂糖 200〜250g
  • 水 250〜300ml
  • レモン汁 大匙1

作り方:

  1. 卵は白身と黄身に分けておきます。
  2. 型(シロップをかけるので少し高さのあるもの)にバターを塗って軽く粉をふっておきます。
  3. ボウルに卵の白身を入れて角が立つぐらいまで泡立て、セモリナ粉を少しずつ加えながら混ぜます。更に卵の黄身、レモン汁を順に加えて混ぜます。
  4. 型に3.を流し入れ、170度に予熱したオーブンで20〜30分ほど焼きます。串を刺して串に生地がくっつかなければOKです。
    スポンジ生地は型に入れたまま、お好みの大きさ、形に切り込みを入れておきます。
  5. シロップを作ります。鍋に砂糖と水を入れて沸騰するまで中火で、その後弱火にして20分ほど煮詰めます。少しどろっとしたら火を止め、冷めたスポンジ生地の上からまんべんなくかけます。
    冷めてシロップがスポンジにしみ込んだら出来上がりです。

*暑い時には冷たく冷やして食べるととてもおいしいです。

*今回使用した型は18センチ丸形ですが、もう少し小さい型や四角い型でもいいです。(レヴァネは普通四角く切ります。)でもスポンジが厚いとシロップが中までしっかりしみ込みにくいです。

*私は200gの砂糖に250mlの水でシロップを作りました。本場のものより甘さ、シロップの量は控えめです。お好みで砂糖、水の量を調整してください。

*昔のレシピでの名前は何故か「レヴァネ」でなく、“レヴィネ”となっていました。

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