憎めないブルガリア人シェフ

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パンを作るときに、髪の毛とかパンに入ったら嫌だなあと思って、透明のビニールのシャワーキャップをかぶってパンを作ってきた私。それを見かねたうちの旦那さんが、シェフの帽子と服を買ってくれるといいます。

窓の外から私がシャワーキャップをかぶって何やら作っているのを見た人は、私のことを怪しいやつと思っているかもしれないけど、自分では自分のシャワーキャップをかぶっている姿が見えないし、機能としてはシャワーキャップで十分なので満足しているんです。でも最近、暑くなってくると頭が蒸れるんじゃないか心配になってきて、どうしようかなあと思っていたところでした。

シェフの帽子と服と言って思い出すのは、私が以前ブルガリアで、ある会社の厨房で昼食を出すのを手伝っていたときの同僚のブルガリア人シェフのこと。日本人のための食事を出していたため、私は彼に和食の作り方を教えたり日本人の好みなどをアドバイスし、彼が料理を作ることになっていました。一般家庭の台所のようなところで、12人分ぐらいの昼食を和食中心で作りました。

初日、彼は「シェフです。」と自己紹介しました。彼を見てびっくりしたのは、頭にはレストランのシェフがかぶるような帽子、服はシェフが着るような服、しかも青い生地に黄色い線が入っていて、おそろいのスカーフも首に着けていました。ちょっと引いてしまった私に、彼は「君も着る?買ってきてあげるよ。」と言いました。私は「エプロンがあるからいいよ。」とお断りしました。

シェフと私は約9ヶ月の間いっしょに働きました。彼とは最初はまあまあ上手くやっていたのですが、日本とブルガリアの文化の違いのためか、仕事上の考え方で衝突することも多くなり、最後には仕事以外であまり話をしなくなっていました。私が日本へ帰国するために辞める時もお互い別れを惜しむことなく、やっと終わったという感じだったかもしれません。

去年の夏、1年半ぶりにその厨房を訪れた時、彼はもういないだろうなあと思っていましたが、ちょっとびっくり、まだそこで働いていました。

「久しぶり。元気だった?」と私。

「えー!戻ってきたの?またここで働くの?」とかなり驚いたシェフ。

「いや、ちょっとブルガリアに遊びにきただけ。」と返す私。

これ以上会話は続かないかと思っていたけど、意外に話が弾みました。一応一緒に働いた仲だし、お互い懐かしくなったのかもしれません。

彼が以前に比べてあまりに元気がなくみすぼらしくなっていたので、私は元気付けるために(??)つい、「最近どう?なんか、見た感じ、しょぼくなっちゃったね。」と言ってしまいました。

シェフは私の言葉にちょっとショックを受けたようで、「・・・・・そう・・・?」と元気がない返事。私に話をしてくれるとは思わなかったけど、私がいない間に起こったいろいろなことを話してくれました。

そして、「今ではねえー、僕、毎日白いご飯を食べているんだよ。日本人みたいでしょ?」とちょっと自慢げ。そうそう、私がいた頃は、彼は日本のおかずとパンを一緒に食べていたっけ。

私やっぱりこのシェフのこと嫌いじゃないかも。一緒に働いていたときは嫌なやつと思ってたけど。一緒に働かなければ、結構いいやつかもしれません。

「今度夜時間があるときにゆっくり話そうよ。絶対連絡してね!」とシェフ。

私は、何で夜??ちょっと怖くなって、「わかった。」といいながら、連絡せずにブルガリアを後にしました。でも、今度ブルガリアに行ったらまたシェフに会いに行ってみようと思っています。

そして昨日、東急ハンズでコックさんのかぶるような白い帽子を買ってもらいました。今日からシャワーキャップをかぶるのは止めます。でも......これをかぶってうちでパンを作ってもやっぱり変じゃない???

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