ブルガリアのパスタ?「ユフカ」

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ブルガリアにはパスタのようなものはないと思っていたのですが、実は「ユフ」(юфка、アクセントは一番後ろのにかかる)と言って、小麦粉と卵で捏ね上げた生地を薄く延ばして天日で乾燥させ、オーブンで軽く焼いて作るパスタのようなものがあります。

以前市場で小さな袋に詰められたユフカが売られているのを見たことがありますが、気づくことなく通り過ぎてしまうぐらいひっそりと売られていました。最近のブルガリアではこのユフカをほとんど見かけることがなくなったようです。うちの旦那さんがユフカを食べたのは10歳か11歳の頃に曾おばあちゃんに作ってもらったのが最後だそうです。今回ブルガリア人の友達にユフカを作ったと言ったら、みんな懐かしがって食べたいと言ったそうです。それぐらい食べなくなってしまったもののようです。

曾おばあちゃんはいつも7月頃にユフカを作りました。それより前や後の時期には野菜や果物で保存食を作らなくてはいけなかったので、比較的時間がある7月頃に作ったようです。

7月の天気のよいある日、朝早くから曾おばあちゃんがどこからか大きなシーツを取り出してきます。それを合図に、台所に小麦粉を飛び散らしながら、曾おばあちゃんはまずはバニツァ作りを始めます。

バニツァの生地もユフカのように小麦粉と水などを合わせた生地を麺棒で薄く延ばして作ります。これだけでも一仕事だと思うのですが、バニツァを作り終わってからさらにユフカ作りを始めます。

曾おばあちゃんが延ばし終わったユフカの生地を、外まで持って行ってシーツの上に並べたり、天日干ししている間に鳥などにユフカを食べられないように見張ったりするのが、子供の頃の旦那さんの役目でした。

乾燥させた後のユフカは、保存しやすい大きさにするために手でバリバリと壊します。子供だったうちの旦那さんにとって、それがユフカ作りの一番の楽しみだったそうで、今回作ったときもバリバリやって楽しんでいました。

そうして出来上がったユフカを、曾おばあちゃんはすぐには食べさせてくれず、10月頃になってやっと食べさせてくれたそうです。ユフカは保存食なので、ほかに食べるものがいろいろある間は、ユフカを食べなかったのかもしれません。

昔は大変だったユフカ作りですが、今回は生地を麺棒で薄く延ばすのではなく、パスタを延ばしたり切ったりするときに使用するパスタマシンを使って作ってみました。パスタマシンを使うととても簡単に作ることができます。

さて、乾燥させたユフカはどうやって食べるのでしょう?
それは次回紹介させていただきますね。

「ユフカ」のレシピ(出来上がり量 170gぐらい)

(юфка)

材料:

  • 中力粉 170g あるいは 強力粉 100g+薄力粉 70g
  • 卵 1個 (70g)
  • 塩 小匙1/3
  • 牛乳 10g (卵と牛乳を合わせて80gになるように牛乳の量を調整してください。)

作り方:

  1. ボウルに小麦粉、卵、塩、牛乳を入れてよく混ぜ合わせ、一塊になったらテーブルの上に取り出し、生地の表面がつるつるになるまで捏ねます。
    (出来上がる生地は少し固めです。)
  2. 生地をラップなどでカバーし、30分冷蔵庫で休ませます。
  3. パスタマシンを使う場合:
    パスタマシンに合わせて生地を適当に切り分け、平たい楕円形の生地を作って軽く粉を付けてからパスタマシンに生地を通します。
    今回は生地を2等分にし、7ミリの厚さで2回、その後4ミリで2回、そして1ミリで2回パスタマシンに通しました。途中で生地が大きくなりすぎたらナイフで半分に切ったりして調整します。
    生地は後で小さく壊して使うのでどんな大きさになっても問題ありません。
    麺棒で延ばす場合:
    生地を2~3等分にして1ミリほどの厚さになるように延ばします。くっつくようなら生地に軽く粉をかけてください。小さい生地のほうが延ばしやすければ4等分とかにしても大丈夫です。
  4. ベランダや庭でテーブルクロス(ビニールでできたものでもOK)などを敷いた上に3.の生地を重ならないように並べ、3時間ほど天日干しにします。生地がパリっとなったら今度は天板に重ならないように並べ、180~200度ぐらいのオーブンで5~10分ほどちょっと焦げ目が付くぐらいまで焼いて出来上がりです。
    csc_0033.jpg  天日干し後のユフカ

*生地は最後にオーブンで軽く焼きますが、すぐに食べるのなら天日干しにするだけでいいかもしれません。

*今回作ったユフカの量はかなり少ないです。保存食用に作るならこの何倍か作らないとだめですね。

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18件のコメント

  1. シカ:

    初めまして^^

    ブログ村から遊びに来ました。

    初めて聞きます。

    ユフカをどうやって食べるか楽しみです。

    勉強になったのでぽちです。

  2. タヌ子:

    クロアチアにはムリンチというモッチリしたパスタがありますが、作り方は今一つよく分かりません。
    今度料理本で探してみますね。
    ユフカと違って、ムリンチは今でも普通の家庭でも食べられているし、レストランでも付け合せとしてよく出てきます。
    レストランではホームメードのものも多いですが、スーパーでもよく売られています。
    乾燥された状態で売られていますが、大きなままで、ユフカのように砕かれている状態ではありません。
    ブルガリアとクロアチアには似た食材があるから、どこか共通点があるのかも知れませんね。
    パスタマシーン欲しいなぁ・・・

  3. itsuko:

    シカさん、

    初めまして!
    ご訪問&ぽち、ありがとうございます。
    ユフカをどうやって食べるのか、日本人にはちょっと想像できない食べ方かも
    しれません。

  4. itsuko:

    タヌ子さん、

    ムリンチって言う名前からしてもっちりしてそうですね。
    ユフカは厚みが結構薄いので、もしかしたらラザニア用のパスタに似ていますか?

    パスタマシーンは最近ネットで安く手に入れました。
    すぐにセモリナ粉を買ってラザニアを作りました。
    茹で上がったものを食べると卵の味がしっかりして、作るのも意外に簡単だったので
    とってもいい買い物をしたと思っています。

  5. カトリーヌ:

    ユフカをどうやって食べるか早く知りたいです!
    天日干しにするところが面白いですね。日本の素麵にちょっと似ているのかな?
    パスタマシーン私もほしいのですが、かなり場所を取ると聞きました。
    もううちの台所にはスペースがないので、あきらめています(笑)。

  6. itsuko:

    カトリーヌさん、

    あんまり期待されると困ります。。。
    保存をする方法としては素麺と似てますよね。
    ユフカは卵が入っているから焼かないといけないのかな?
    うちのパスタマシーンはそんなに大きくないです。思っていた以上にコンパクトでした。
    カトリーヌさんならマシンを使わなくても麺棒できれいに伸ばして作ってしまいそうです。

  7. タヌ子:

    仰る通り、ムリンチはラザニアのパスタに少し似てますが、もうちょっと薄い感じです。
    レストランでは鴨とムリンチを組み合わせることが多いです。
    美味しいけれど、お腹にずしっと溜まるのが難点。
    パスタマシン真剣に検討してみます。

  8. yukacan:

    クリーム色できれいですね。トルコ語のユフカは「ユ」にアクセントです。乾燥のユフカもあるけれど、直径30センチくらいで保存食にするようです。やわらかいユフカはもっと大きくて、トルコではまだまだユフカ屋さんもあるくらい堂々と売られていますよー。

  9. シカ:

    遊びに来てくれてありがとうございます。

    <左上の黄色い物は蕪です。
    蕪をマヨネーズ、醤油、マスタードで和えただけです。

    ブルガリア料理をもっと知りたいのでリンクしていいですか?

  10. itsuko:

    タヌ子さん、

    パスタマシンでうどんもそばも作れそうですよね。
    海外でもとても役に立ちそうなので私もブルガリアにもう1台
    買おうと思っています。

  11. itsuko:

    yukacan、

    ブルガリアでは乾燥させたもののみユフカというようで、生地には必ず卵が入っています。
    トルコのボレキのようなパイ(ブルガリアではバニツァ)用の薄い生地はコラ(後ろアクセント)と呼ばれ、卵は入れないことのほうが多いようです。
    ユフカ屋産さんのような店は見たことがありません。
    スーパーでめちゃくちゃ薄いパッケージ入りのコラを買うか、自分で作るしかないようです。
    その代わりにバニツァ屋さんがあちこちにあります。

  12. itsuko:

    シカさん、

    リンクもちろんOKです。ありがとうございます。

  13. ブルガリア研究室・室長:

    ユフカーは、ブル–英語辞典によるとnoodlesとなっています。社会主義時代に店で売っていたユフカーは、普通スパゲッティの細めのようなものでした。思い切ってラーメンの代わりに利用していた日本人留学生もいた。統計集にもユフカーの項目があったし、社会主義時代にも店頭で売っていたので、そう稀な食品ではなかったと思う。ただし、今回このブログ記事で紹介されているようなモノとは違っていたと思う。これが本物のユフカーということでしょう。小生宅では、ブル製の怪しげなスパゲッティー(ユフカー)は不味いだろうというので、食べることはなかったです。ユフカー+シーレネ=?不思議な味になりそうですね。

  14. itsuko:

    ブルガリア研究室室長さん、

    室長さんの仰っているスパゲティの細めのようなものって、スープとかにいれるフィデのことではないですか?
    長さ3センチぐらいで、茹でるとすぐに柔らかくなります。チキンスープによく入っています。
    私はスープに入っているフィデを見て焼きソバを作ってみたくなって、フィデを茹でてから炒めたのですが、すっごく柔らかいので全部溶けてフライパンにくっついて大変なことになりました。
    ユフカ+シレネはまだいいとして、ユフカ+シレネ+砂糖がどんな味になるのか、今度ユフカを作ったら、試してみずにはいられません。

  15. ブルガリア研究室・室長:

    そういえば、Fideだった。ユフカーとは別物なのですね。うーん、となると小生はユフカーを食べたことはないようです。ユフカーとシーレネならシーレネ好きの小生も食べられるけど、これに砂糖が入ったら絶対無理です。お粥に砂糖というブルのデザート見たいのも、小生気持ち悪くてダメだった。曾おばあさんが、手作りのバーニツァを作ってくれたのですか?バーニツァなら、どれでも大好きです。そのうちまた小生も作りたいけど、今色々あって、余裕がないので残念。

  16. Pino:

    うちの旦那は ブルガリア人でブルガリアに住んでいますが このユフカ朝食によく食べます。最初に 旦那のおばあちゃんが作ってくれた時には 私はとてもじゃないけど食べれませんでした。今でも 自分では食べませんが旦那の為にたまに作ります。
    このユフカは 昔の保存食だったようで、小さい頃によく食べた懐かしい味!と旦那は言います。
    トルコにもユフカという名前の物がありますが
    トルコのユフカは円状のフィロみたいな感じで パイを作る時に使えますが、ブルガリアのユフカは既に粉々になってしまってるので なんで名前が一緒なのかなーって ちょっと疑問です!
    うちでは ユフカをたっぷりなお湯でくったりするくらいゆでて、ゆであがったら お湯を半分捨てて、そこに砂糖とバターで食べます。 
    うちのババのレシピではユフカには、シレネをいれませんが、マカロニには入れます。マカロニは茹でて、シレネと砂糖とバターで食べますね。
    最初は拒否してたけど、今では マカロニの方は 結構好きです。あのシレネの塩辛さと、砂糖の甘さが絶妙ですね〜(笑)

  17. itsuko:

    ブルガリア研究室室長さん、

    うちの旦那さんも米と牛乳と砂糖を合わせたデザートは嫌いと言っています。
    昔桜餅がご飯と餡子の組合せのようで気持ち悪いと思っていましたが
    今ではすごくおいしいと思うので、もしかしたら米と砂糖の組み合わせも食べているうちに
    おいしいと思えるようになるかもしれませんよ。
    バニツァは最初のころはあまり好きではなかったのですが、今では大好きです。
    特に手作りしたものは最高ですよね!

  18. itsuko:

    Pinoさん、

    初めまして!

    Pinoさんのおうちではユフカをよく食べていらっしゃるのですね。
    うちの旦那さんも食べたときに懐かしい味!と連発していました。

    トルコではブルガリアのバニツァに使われる薄い生地と同じようなもののことも
    ユフカと言うようですね。
    オスマントルコ時代にトルコ人からもらったユフカがばらばらに崩れていたから
    それがユフカとしてブルガリアに伝わったのか?
    ブルガリアとトルコでは名前がよく似ている食べ物やものがたくさんありますよね。

    シレネと砂糖ってそんなに合うのですか?じゃあ今度絶対試してみないと!

    またブルガリアの話を聞かせていただければうれしいです。

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