pazar.jp(パザール ドット ジェイピー)について

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(ソフィアから見えるヴィトシャー山)

私が最初にブルガリアを訪れたのは10年ほど前のこと。ブルガリアのことなどほとんど知らず、ヨーグルトと体操が得意な国かなという程度でした。夫がブルガリア人でなければ訪れることもなかった国かもしれません。

ソフィアの空港に着いてまずびっくりしたのは、飛行場がすごく小さいことでした。入国審査のブースから荷物受取場所が見えていて、とても国際空港には見えませんでした。しかも私はまだ入国審査を待つ列に並んでいるというのに、先にブルガリアに着いて迎えに来ていたうちの旦那さんと彼のおじさんが手を振るのが見えていたのです。彼のおじさんの知り合いが空港で働いていたので中に入れたとのことでした。

車で町の中を走っていたとき、ときどきスピードを緩めるので何故かと思っていたら、道に大きな穴がありました。道は舗装されているか石畳の道なのに、車のタイヤ丸ごと入るぐらいの大きさの穴が開いていました。そんな穴がたまたまあったのではなく、ときどきあるのです。どうやったらそんな穴ができるのかとても不思議でしたが、今では、道は修理しなければ自然に大きな穴ができるとわかりました。実は現在でもソフィアの中心部以外の道では大きな穴が開い ていたりします。

道沿いには5階建てぐらいの古い建物が並んでいて、ソフィアではほとんどの人がこのような建物のアパートに住んでいます。ヨーロッパには結構古い建物がたくさんありますが、ブルガリアの”古い”は、壁がところどころ剥がれ落ち、窓ガラスは割れたままか、テープなどで応急処置をしたという感じの古さで、かなりショックを受けたのを覚えています。

今でこそ、ソフィアのヴィトシャー通りという買い物で有名な通りには、ベネトンなどの海外ブランドのショップやレストランなどが並んでいますが、その当時旦那さんに連れて行ってもらった時には、開店している店も少なく、服などあまり売っていませんでした。人があまりいなくて、がらんとしていた印象が あります。水が飲みたくなってお店に買いに行ったら、売り場にほとんど物が並んでいませんでした。

このような状況にショックを受けながらも、路地裏にある小さなレストランでブルガリア料理を食べたらすごくおいしかったり、ソフィアの近くの山、ヴィトシャー山に登ったらとてもきれいな小川があって感激したり、ブルガリアがとてもすばらしい国に変わっていきました。

旦那さんのおばあちゃんは、ムサカなどの手料理を振舞ってくれたり、私たちが出かけている間に洗濯機がないのに洗濯板を使って私たちの服を洗ってくれたり、安いお店があるのよと言ってバスでマーケットまで連れて行ってくれたり、豊かになりつつあるブルガリアで、お金がないわけでもないのに、贅沢をせずに暮らしていることにとても心が惹かれました。

もし私がブルガリアの何がいいかと聞かれれば、ブルガリア料理とブルガリアの自然とブルガリア人の素朴な生活と答えると思います。でも、ブルガリアが金銭的に豊かな国になればなるほど、家で料理をすることも少なくなり、レストランの料理には手が加えられて伝統的なブルガリア料理を味わうことが難しくな り、自然いっぱいの山々には不釣合いな大きなホテルがたくさん建設されたりして、私の好きな素朴なブルガリアがだんだん消えてきているのが残念です。

日本ではもう昔のなつかしい風景をあまり見ることができないから、せめてまだそれが残っているブルガリアにはこれ以上大都会のような国にはなってほしくないと勝手なことを願っています。そして、日本ではあまり知られていないブルガリアのこと、ブルガリアの良いところを、このpazar.jpで紹介できればいいなと思っています。