保存食「トラハナ」って何?

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ブルガリアの人にもあまり知られていない食べ物「トラハナ(трахана)」。私はブルガリア料理のレシピ本で見ていて名前は知っていましたが、うちの旦那さんにどんな食べ物か聞いてもよく知らないと言われていました。でもブルガリア南部、プロヴディヴ出身の旦那さんの友人の一番好きな食べ物がその「トラハナ」と聞いて食べてみたくなった私たち夫婦は、自分たちで作ってみることにしました。

以前に紹介したことがあるブルガリアのパスタ「ユフカ」にちょっと似ていて、小麦粉ベースの生地を乾燥させて使用する保存食ですが、「トラハナ」は野菜のペーストを混ぜ込んだり発酵させてから乾燥させるところが「ユフカ」と違います。食べ方は水と一緒に煮てバターやシレネ(ブルガリアの白いチーズ)と混ぜて食べたり、スープに入れたり、お肉と一緒に料理したりするようです。

何せうちの旦那さんも見たことも食べたこともない食べ物ですから、今回出来上がったものが本物の「トラハナ」かどうかちょっと疑問が残ります。作った後に今回作った「トラハナ」の話をプロヴディヴ出身の友達に話したら、「そんな感じの食べ物だよ。」と言われたそうですが。

csc_0037 (乾燥トラハナ)

私たちが使用したレシピは、1930年代のブルガリア料理のレシピ本に載っていたものです。「乾燥トラハナ」の作り方を簡単に説明すると、

  1. トマト、ジャガイモ、人参、タマネギ、赤ピーマンを少量の水で柔らかくなるまで煮て、それを茹で汁ごと潰してピューレ状にします。
  2. 1.のピューレと同量の小麦粉と、塩少々、イースト少々を加えてよく捏ねて少し固めの生地を作り、丸めて2〜3倍の大きさになるまでゆっくり発酵させます。
  3. 2.の生地を薄く伸ばして、2日ほど乾燥させます。
  4. 3.でできたものをおろし金などで細かくして出来上がりです。

他のレシピでは、生地を発酵させた後におろし金でおろしてそれから乾燥させたり、混ぜ込む野菜はズッキーニだったり、地方や人によって作り方は少し異なるようです。

出来上がった「トラハナ」を、今回はシンプルに水で煮込んでバターと塩で味付けして食べてみました。野菜の味はほのかにするかなという程度ですが、その代わりにバターの味と香りがしっかりします。味としてはおいしいけれど、柔らかくなったパンを食べているようでちょっと変なかんじです。でもうちの旦那さんは、さすがはブルガリア人、食べたことがなかったこの食べ物を結構気に入ったようです。私は次回はお肉と一緒に食べてみたいです。

「トラナハ」についてちょっと調べてみると、思った通り、トルコやギリシャでも食べられているようです。やっぱりトルコからブルガリアに伝わったのでしょうか。

もしいつかブルガリアで「トラハナ」に出会ったら、どんなものなのか、ちゃんと報告したいと思います。

ユフカの食べ方その1〜「茹でユフカ」

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ブルガリアのパスタ『ユフ』でどんな料理ができるのか、私もユフカの食べ方をよく知らなかったのでとっても楽しみにしていました。

スパゲティやアジアの麺の食べ方を想像していた方はがっかりするかもしれまんが、 一番一般的なユフカの食べ方は、茹でたユフカにシレネ(ブルガリアの白いチーズ)をかけて食べるというものです。そのユフカの茹で具合も歯ごたえが残るように茹でるのではなく、柔らかめに茹でます。

うちでスパゲティを作るときに、よくうちの旦那さんに麺が硬すぎる、もっと柔らかく茹でてと言われていました。最近では、私用の麺は早めに鍋から取り上げ、うちの旦那さんのはそれからさらに5分ほど長く茹でます。ユフカを茹でてみて、彼の麺の柔らかさの基準は、ユフカから来ているのではないかと思いました。

茹で上がったユフカにかけるチーズは、今回はシレネがなかったので、カッテージチーズで代用しました。茹でたユフカにチーズをかけるだけなんて料理じゃないと思っていた私ですが、食べてみると、あっさりしていますが、その分ユフカのおいしさが引き立ってとても食べやすいものでした。ちゃんとシレネを使って作ったら、もっとコクがあってもっとおいしかったかもしれません。

茹でたユフカにチーズをかけたあと、さらに砂糖をかけて食べる人もいるということです。また、茹でたユフカに砂糖をかけて食べるという食べ方もあるようです。つまり、ユフカはデザートにもなりうる麺だったのです。

ということで、次回はユフカのデザートとしての食べ方をご紹介します。

「茹でユフカ」のレシピ

(юфка със сирене)

材料:

  • 乾燥ユフカ 適量
  • バター 少々
  • シレネ あるいは カッテージチーズなど 適量
  • 塩 (カッテージチーズを使用する場合のみ)少々
  • 砂糖 (お好みで)少々

作り方:

  1. 鍋に水をいれて火にかけ、沸騰したらユフカを入れて柔らかくなるまで7分ほど茹でます。
  2. 茹で上がったユフカを水で洗って水気を切り、お皿に盛り付けます。
  3. 溶かしバターとチーズをのせて(カッテージチーズを使うなら塩もかけて)出来上がりです。
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ブルガリアのパスタ?「ユフカ」

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ブルガリアにはパスタのようなものはないと思っていたのですが、実は「ユフ」(юфка、アクセントは一番後ろのにかかる)と言って、小麦粉と卵で捏ね上げた生地を薄く延ばして天日で乾燥させ、オーブンで軽く焼いて作るパスタのようなものがあります。

以前市場で小さな袋に詰められたユフカが売られているのを見たことがありますが、気づくことなく通り過ぎてしまうぐらいひっそりと売られていました。最近のブルガリアではこのユフカをほとんど見かけることがなくなったようです。うちの旦那さんがユフカを食べたのは10歳か11歳の頃に曾おばあちゃんに作ってもらったのが最後だそうです。今回ブルガリア人の友達にユフカを作ったと言ったら、みんな懐かしがって食べたいと言ったそうです。それぐらい食べなくなってしまったもののようです。

曾おばあちゃんはいつも7月頃にユフカを作りました。それより前や後の時期には野菜や果物で保存食を作らなくてはいけなかったので、比較的時間がある7月頃に作ったようです。

7月の天気のよいある日、朝早くから曾おばあちゃんがどこからか大きなシーツを取り出してきます。それを合図に、台所に小麦粉を飛び散らしながら、曾おばあちゃんはまずはバニツァ作りを始めます。

バニツァの生地もユフカのように小麦粉と水などを合わせた生地を麺棒で薄く延ばして作ります。これだけでも一仕事だと思うのですが、バニツァを作り終わってからさらにユフカ作りを始めます。

曾おばあちゃんが延ばし終わったユフカの生地を、外まで持って行ってシーツの上に並べたり、天日干ししている間に鳥などにユフカを食べられないように見張ったりするのが、子供の頃の旦那さんの役目でした。

乾燥させた後のユフカは、保存しやすい大きさにするために手でバリバリと壊します。子供だったうちの旦那さんにとって、それがユフカ作りの一番の楽しみだったそうで、今回作ったときもバリバリやって楽しんでいました。

そうして出来上がったユフカを、曾おばあちゃんはすぐには食べさせてくれず、10月頃になってやっと食べさせてくれたそうです。ユフカは保存食なので、ほかに食べるものがいろいろある間は、ユフカを食べなかったのかもしれません。

昔は大変だったユフカ作りですが、今回は生地を麺棒で薄く延ばすのではなく、パスタを延ばしたり切ったりするときに使用するパスタマシンを使って作ってみました。パスタマシンを使うととても簡単に作ることができます。

さて、乾燥させたユフカはどうやって食べるのでしょう?
それは次回紹介させていただきますね。

「ユフカ」のレシピ(出来上がり量 170gぐらい)

(юфка)

材料:

  • 中力粉 170g あるいは 強力粉 100g+薄力粉 70g
  • 卵 1個 (70g)
  • 塩 小匙1/3
  • 牛乳 10g (卵と牛乳を合わせて80gになるように牛乳の量を調整してください。)

作り方:

  1. ボウルに小麦粉、卵、塩、牛乳を入れてよく混ぜ合わせ、一塊になったらテーブルの上に取り出し、生地の表面がつるつるになるまで捏ねます。
    (出来上がる生地は少し固めです。)
  2. 生地をラップなどでカバーし、30分冷蔵庫で休ませます。
  3. パスタマシンを使う場合:
    パスタマシンに合わせて生地を適当に切り分け、平たい楕円形の生地を作って軽く粉を付けてからパスタマシンに生地を通します。
    今回は生地を2等分にし、7ミリの厚さで2回、その後4ミリで2回、そして1ミリで2回パスタマシンに通しました。途中で生地が大きくなりすぎたらナイフで半分に切ったりして調整します。
    生地は後で小さく壊して使うのでどんな大きさになっても問題ありません。
    麺棒で延ばす場合:
    生地を2~3等分にして1ミリほどの厚さになるように延ばします。くっつくようなら生地に軽く粉をかけてください。小さい生地のほうが延ばしやすければ4等分とかにしても大丈夫です。
  4. ベランダや庭でテーブルクロス(ビニールでできたものでもOK)などを敷いた上に3.の生地を重ならないように並べ、3時間ほど天日干しにします。生地がパリっとなったら今度は天板に重ならないように並べ、180~200度ぐらいのオーブンで5~10分ほどちょっと焦げ目が付くぐらいまで焼いて出来上がりです。
    csc_0033.jpg  天日干し後のユフカ

*生地は最後にオーブンで軽く焼きますが、すぐに食べるのなら天日干しにするだけでいいかもしれません。

*今回作ったユフカの量はかなり少ないです。保存食用に作るならこの何倍か作らないとだめですね。

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コーンミールを使った「コーンブレッド」

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前回カチャマックを作って残ったコーンミールを使って、ブルガリア風コーンブレッドを作ってみました。

普通コーンブレッドといえば、 ベーキングパウダーで膨らませたちょっと甘いパンのことを指すようですが、今回作ったパンはイーストで膨らませた甘くないパンです。

ほんのりとうもろこしの香りのする食事用パン。スライスしてトースターで焼くとかりっとして普通の白いパンより香ばしい。生地がぎっしり詰まった、いかにもブルガリアらしいパンになりました。

次回はコーンミールの量をもっと増やして作ってみたくなりました。家にコーンミールが残っていたらぜひ作ってみてくださいね。

「コーンブレッド」のレシピ(1個分)

(царевичен хляб)

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《参考》
1個分のカロリー: 1100kcal

材料:

  • 強力粉 250g
  • コーンミール 50g
  • インスタントドライイースト 小匙1/2
  • 塩 小匙1
  • 砂糖 小匙1/2
  • ぬるま湯 150ml

作り方:

  1. すべての材料をボウルに入れて手で混ぜ、一塊になったら台の上に取り出し、15分ほどこねます。
  2. こねた生地をボウルにもどしてカバーをし、生地が倍ぐらいの大きさになるまで、暖かいところで2時間ほど発酵させます。
  3. 発酵した生地を台の上に取り出し、楕円形に成形します。
    成形した生地をベーキングシートを敷いた天板に置いてぬれふきんでカバーし、生地が倍ぐらいの大きさになるまで1時間ほど発酵させます。
  4. 発酵した生地の表面にナイフで切込みを入れ、コーンミール少々を振るいかけます。
  5. 230度に予熱したオーブンで15分、その後200度に温度を下げて15分焼いて出来上がりです。
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クリスマスイヴのピトゥカ(簡単ソーダブレッド)

小麦の味をしっかり味わえる素朴な味のパンです。イーストを使わずにベーキングソーダ(重曹)で膨らませるので、イースト発酵のパンよりずっと簡単に短時間で出来上がります。

クリスマスイヴだけでなく、ブルガリア料理や洋風おかずと一緒に食べてもおいしいパンです。

「クリスマスイヴのピトゥカ(簡単ソーダブレッド)」のレシピ(直径20センチ丸型1個分)

(коледна содена питка)

材料:

  • 強力粉 250g
  • ベーキングソーダ(重曹) 小匙1/2
  • 塩 小匙1/3
  • 水 140ml
  • 油 大匙1と1/2

作り方:

  1. 強力粉はベーキングソーダ(重曹)と一緒にふるっておきます。
  2. ボウルに強力粉、塩を入れて軽く混ぜ、水と油は一緒にしてボウルに入れ、スプーンで混ぜます。
  3. 生地がだいたいまとまったら、手でダマがなくなるまで混ぜます。
    *軽く混ぜるようにして捏ねないように。
  4. 生地のうち大匙1ほどを別に取っておき、残りを丸めてベーキングシートを敷いた天板に載せます。生地を手で押して伸ばして直径20センチほどの平らな円盤型にします。
    別に取っておいた生地は大匙1/2の強力粉(分量外)とよく混ぜ合わせ、麺棒で薄く延ばして鳥、十字架などのパンの飾り用にナイフなどで形を切り抜き、円盤型の生地の上に載せて軽く押さえてくっつけます。
  5. 生地全体に刷毛で油(分量外)を塗り、180度に余熱したオーブンで30~40分ほど焼いて出来上がりです。
    焼きあがったパンに濡れ布巾を5~10分ほど載せておきます。

*飾り用生地はクッキー型で抜けばもっと簡単にできそうです。

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